読後感想　「信長の棺」

タイトル「な」行の本 #読書
  加藤廣　著

　図書館で借りる、初めて読む作家だ。筆者は経済等の著者で、作家転向一作目だった。

　太田牛一は、信長に仕え、本能寺の変によって信長の絶命後、秀吉に仕え「大かうさまくんき」を著す

　しかし、信長を慕っていた牛一は、秘かに調査をしながら、「信長記」を著そうとする。本能寺の変の

　本当の首謀者は誰か？何故、無防備に本能寺を訪れたのか？そして何故信長の死体は何故発見されなか

　ったのか？これらの追究も兼ねていた。

　そこにふとしたきっかけで、名前のない丹波出身の手伝いの女性を住まわせることになった牛一は、丹

　波に訪れ、そこから、意外な真実を知る事になる。

　誰もが知っている信長を題材にしながらも、切り口がとても面白く、歴史小説でありながら、ミステリ

　ーの様であり、新鮮な物語だった。牛一と信長のコンフェイト（金平糖）の件は、とても微笑ましかっ

　た。主人公が高齢という設定も有り、終始物語の落ち着きを感じた。

　信長の死体は、何故なかったのか？謎を知りたい方にオススメです。